2018年1月9日今月の詩画と生きてゆく私
空に両手を差し伸べる。ただそれだけで幸せだ。
自由がここにある。 心から、私は一本の木である。
だが、制約もここにある。 この手は、空をつかめないからだ。
だから、手は、「心」より不自由だ。
そんな手で、銅版画という原っぱを掘る。無数の線と点で根を張ってゆく。
細かいから、涙が出てくる。悲しいわけではないが、泣きながら掘る。
落書きみたいな画も、たわごとみたいな詩も、泣きながら生まれてくる。
野良仕事に疲れて、空に両手を差し上げる。
空が、この手をつかんでくれたらいいのに。