2023年9月27日母と娘の心理
秋めいてきた。
多和田葉子さんの小説「白鶴亮翅」の中に、興味深い幽霊話が出てくる。
主人公が通っている太極拳教室の友達の様子がおかしい。げっそりやつれている。どうしたのか。
夜入浴のために湯をはると、バスタブの中に女性の死体(幽霊)が横たわっているのだという。
その問題を解決するために、一人暮らしの彼女の住まいを訪ね、
心霊儀式のように、お茶を飲みながら夜話しをする。そして、バスタブに向かってみると・・・
母娘の心理と蜘蛛の巣が絡み合って見えてくるのです。
幽霊も、人の心の表れでしょうか。離れていても娘の心を捉えて放さない母という存在の威力。