2016年9月10日菊の節句~銅版画と菓子皿と
昨日、花屋に菊はなかった。「今月の詩画」の野菊も、心の中のこと。
旧暦の9月9日は、不老長寿を願う重陽の節句<菊の節句>なのだが、それは、
新暦だと一月遅れで、今年は10月9日だ。その頃なら、菊もいろいろ咲くだろう。
菊の香りには、鎮静作用があり、心を落ち着かせ、平穏な眠りに向かわせる。
カモミールティーのカモミールも菊の一種。 不老長寿は、眠りに似ている。
古いモノも、永い眠りの中で時代を生き抜くことがあり、あるときふいに
その永い眠りから覚めて、よみせ通りをちょいと入った「ひよこ堂」の棚の上に、ちょこんと座っていたりする。
この菓子皿、ふっくら福の白菊模様、不揃いで。高価なモノではありません。名も知らぬ人に作られ、生き抜いた。
野に咲く花のように、日々の暮らしがある。 ものごとは、なかなか揃わない。そこがいい。